ハンコ・印鑑に関する豆知識を身に付けるためのサイト「はんこドットコム」

●●●印鑑の材質●●●

【薩摩本柘】

(薩摩本柘とは)

 象牙や水牛などの角とともに、木製の印材としては古くから使われており、広く愛用されています。 多くの印章店では、東南アジア方面からの輸入されている柘が多く使われていますが、国内産を扱うお店も多いです。

(特徴)

 植物系の印材としてはもっとも繊維が細かく、硬度も粘りもあるため、篆刻に適しております。取り扱いにさえ注意すれば、長く使える材質です。

(保存・お手入れ)

 印鑑を使う度に、印面に残っている朱肉を柔らかい布などで軽くふき取りましょう。 特に柘(つげ)はとてもデリケートです。朱肉には油質が含まれているので、長年使っているとそれが染み込んで、枠などの部分がもろくなってしまいます。 こまめなお手入れが、印鑑を長持ちさせる秘訣です。

【黒水牛】

(黒水牛とは)

ベトナムを中心とした東南アジアの水牛の角を加工したものです。 耐久性が優れており、はんこ以外にもボタン、包丁の柄、料理箸などにも利用されることもあり、光沢ある美しさからアクセサリーとしても愛用されています。 印面部分の朱色と黒の対比の美しさは、黒水牛ならではのものです。

(特徴)

 耐久性があり、硬度も粘りもあるため、篆刻には非常に適した素材です。 芯の通った中心の部分の芯持という部分で、さらに角の先端の部位を使用した、印面側の芯の小さいものが、もっとも良質だと言われています。

(保存・お手入れ)

天然の素材なので、太陽の光や照明の下に長時間あたると、乾燥してヒビが入ることがあります。専用のケースに入れて大切に保管して下さい。 黒水牛は冬の乾燥には特には特に弱いので、オリーブオイル等でお手入れすると良いでしょう。

【琥珀】

(琥珀とは)

 琥珀は、古来より『人魚の涙』『太陽の石』などと呼ばれ、数千万年から数億年前、地上に繁茂していた樹木の樹脂が土砂などに埋もれ、化石化した「樹脂の化石」です。 地上最古の芸術品と言えます。
 琥珀となった樹木には、広葉樹から針葉樹までいろいろな種類があり、既に絶滅した樹種もあります。

(特徴)

 琥珀の印鑑は軽くて手になじみ、使いやすいです。夏は涼しげで、冬は温かいというのは、琥珀だけがもつ特徴です。 樹脂が何千万年もの時代を経て化石となった琥珀は、美しい輝きとその神秘的な色合いゆえに、本象牙に並ぶ高級印材として愛されています。

(保存・お手入れ)

 琥珀は非常に割れやすく、落とした場合に割れたり欠けたりしやすいため、必ず印鑑ケースに入れて保存してください。 そして、ときどき柔らかい布で拭いて下さい。汚れのひどい時だけ、ぬる目の石けん水で洗っても良いですが、乾燥後はオリーブ油を少量ぬると良いでしょう。 また、琥珀はキズがつきやすいため、柔らかい布などで包んで保管してください。火にも弱いので気をつけてください。

【象牙】

(象牙とは)

 象牙の印鑑は、いろいろな種類の中でも最も朱肉のなじみが良く、使えば使うほど光沢が出て、最も高級感のある印鑑の材料です。 実印などの大切な印鑑を作る際には、もっとも愛用されています。

(特徴)

 天然資源のもつ肌触り・手触り・高級感は、使う人を魅了します。

(保存・お手入れ)

 象牙のお手入れは、天然の物であるため難しくはありません。水で洗う時は、きれいに乾いた布で水分をふき取ります。 その後、光沢を出したいときは、家庭にある白い色の光沢剤(ワックス等)で磨き、布のきれいな部分で軽くこすると良いでしょう。 象牙は大切に保存すれば、一生お使いいただける印鑑材料です。