●●●印鑑の豆知識●●●
【印章と印鑑】
本来「印章」とはハンコそのものを指し、「印鑑」は捺印された印影のことを指します。
ただし、現在では「印章」「印鑑」「印判」「ハンコ」ともに、同じ意味で使われていますから、一般的には同じものとして解釈すれば良いでしょう。
ちなみに、社団法人全日本印章業協会では「印章」を正式な名称としています。
【実印と認印】
印章には登録印としての「実印」の他に、「銀行印」「認印」があります。
「銀行印」は銀行などの金融機関に届け出たものを指し、「認印」は登録しない印章を指します。
ただし、契約などの書類上の捺印効果は、法的には「実印」「銀行印」「認印」いずれも同等の効果を持っています。
「認印だから信頼性がない」ということはなく、法律上は「実印」も「認印」も意思確認において同格となります。
認印だからといって、みだりに捺印しないように気をつけましょう。
【朱肉】
捺印の際に欠かせないのが朱肉です。本来の朱肉は、硫化水銀を過熱、昇華して得られる銀朱を、ひまし油などの植物油で溶かしたものです。
光線によって変色しない特質があり、アルコール・酸・アルカリにも反応しない、最高品質の朱肉と言えます。
しかし、純粋な銀朱は非常に高価であり、現在は顔料系の朱色をスポンジにしみ込ませた安価なものが多く使われています。
【上手な捺印方法】
上手な捺印方法は、朱肉を付け過ぎない事です。軽くポンポンと朱肉を付け、の≠フ字を書くように圧を加えて捺印します。
捺印する用紙の下には適度なクッションを置きます。できれば捺印用のマットを使用すると良いです。
【お手入れ・保管】
捺印後はなるべくこまめに朱肉を拭き取り、たまに植物性オイル等で拭いてください。捺印後そのまま放置すると、朱肉が固まり、使うたびに印影は汚れてしまいます。
できれば掃除用の「ゴミトール」などを使うと、いつまでも綺麗な印面を保つことができます。
もし印面が目詰まりしてしまった場合は、歯ブラシ等に薄めた洗剤をつけて、少しずつ落として下さい。
印章を保管する際は必ずケースに入れ、なるべく温度変化の少ない場所に保管してください。
天然素材の印章は乾燥等の気温変化の影響を受けやすく、また虫に食われる可能性もあります。防虫剤を側に置いておけば、虫食いを防ぐことができます。
【印章彫刻技能士】
印章彫刻技能士(いんしょうちょうこくぎのうし)とは、国家資格である技能検定制度の一種で、都道府県知事が実施する、
印章彫刻に関する学科及び実技試験に合格した人のことをいいます。優れた技術と手彫りの成果を印鑑製作に活かしています。
【手彫りの印章】
最近はパソコンを応用した自動彫刻機により、安価な印章が増えています。機械彫りの印章は、類似した印章が出来やすいため、大切な実印や銀行印にはオススメできません。
財産や権利にかかわる大切な実印・銀行印は、唯一無二の「手彫り」のものが良いでしょう。